IT資格の全体像
最終更新日:
ひとくちにIT資格といっても、その性質は資格によって大きく異なります。基本情報技術者試験や応用情報技術者試験は、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が実施する国家資格である情報処理技術者試験の一区分です。一方、AWS認定のようなクラウドサービスのベンダー資格は、各クラウド事業者が独自に運営する認定制度であり、G検定のような民間資格は、専門分野の業界団体が実施しています。
| 資格 | 資格の性質 | 主な実施主体 | 受験手数料(実施主体公表) | 試験方式・実施時期 | 対応講座の一例(本サイト掲載校) | 学習手段の傾向 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 基本情報技術者試験 | 国家資格(情報処理技術者試験) | 独立行政法人情報処理推進機構(IPA) | 7,500円(税込) | CBT方式により通年随時実施 | フォーサイト(一般教育訓練給付の対象講座あり)・資格の大原(情報分野)・LEC(IT・情報分野)など(一例。開講状況は公式サイト参照) | 資格スクール・通信講座の講座に含まれる場合があるほか、独学向け教材も豊富な分野 |
| 応用情報技術者試験 | 国家資格(情報処理技術者試験) | 独立行政法人情報処理推進機構(IPA) | 7,500円(税込) | 2026年度はCBT方式で前期・後期の年2回(2027年度から新試験制度へ移行予定) | 本サイト掲載校での開講状況は公式サイト参照 | 基本情報技術者からのステップアップとして、通信講座や独学で学習する人が多い分野 |
| AWS認定 | ベンダー資格(クラウドサービス事業者の認定制度) | Amazon Web Services(AWS) | Cloud Practitioner 100 USD、Solutions Architect - Associate 150 USD(他レベルは公式サイト参照) | テストセンターまたはオンライン監督付き試験(公式サイト参照) | AWS公式トレーニング・クラウド専門の学習サービスが中心(本サイト掲載校は公式サイト参照) | AWS公式のオンライントレーニングや、IT専門のオンライン学習プラットフォームで学ぶことが一般的 |
| G検定(ジェネラリスト検定) | 民間資格(AI・ディープラーニングに関する知識を問う検定) | 一般社団法人日本ディープラーニング協会(JDLA) | 一般13,200円・学生5,500円(税込) | オンライン試験と会場試験を併用し2026年は年9回開催予定(公式サイト表記) | JDLA公認プログラム提供事業者(公式サイト参照) | 協会公認の講座や、AI・データサイエンス分野を専門に扱うオンライン学習サービスで学ぶことが一般的 |
2026年9月時点、各社公式サイト・公開資料に基づく。最新情報は各社サイトで確認してください。
表の「受験手数料」は各実施主体の公式サイトで確認できた金額で、講座の受講料とは別に必要になる費用です。AWS認定は米ドル建てで、日本円での支払額は為替レートによって変動するため、受験時点の公式案内で確認してください。G検定は一般と学生で金額が分かれており、実施回数もオンライン試験と会場試験を合わせた年間の予定として公表されています。情報処理技術者試験は2027年度から新試験制度への移行が予定されているため、応用情報技術者試験を計画している方は実施時期や出題形式の変更にも注意が必要です。
このように実施主体が異なるため、学習の進め方や利用できる講座の種類にも違いがあります。国家資格である基本情報・応用情報技術者試験は、当サイトで紹介している資格スクールの一部でも講座が提供される場合がありますが、AWS認定やG検定のようなベンダー・業界団体系の資格は、クラウド専門のトレーニングサービスや、AI・データサイエンス分野に特化したオンライン学習プラットフォームで学ぶことが一般的です。
基本情報・応用情報技術者試験の学び方
基本情報技術者試験と応用情報技術者試験は、IT業界における基礎知識・応用知識を幅広く問う試験として、長年にわたり多くの受験者に利用されてきました。出題範囲がテクノロジ系・マネジメント系・ストラテジ系と幅広いため、体系的に学習を進めたい場合は、資格スクールや通信講座の講座を活用する方法があります。オンライン・通信講座8社の比較で紹介している事業者の中にも、資格分野の一つとしてIT系の講座を扱っている場合がありますので、興味のある方は各社公式サイトで対応状況をご確認ください。
一方で、基本情報・応用情報技術者試験は、市販の参考書や過去問題集が豊富に流通している分野でもあり、独学で合格を目指す受験者も少なくありません。ITエンジニアとしての実務経験がある方は、実務知識を活かしながら過去問演習を中心に学習を進めるという方法も選択肢の一つです。
AWS認定などベンダー資格の学び方
AWS認定は、Amazon Web Servicesが提供するクラウドサービスに関する知識・実務スキルを証明する認定制度で、クラウドプラクティショナーからソリューションアーキテクトまで、複数のレベル・専門分野に分かれています。AWS公式のオンライントレーニングやハンズオン学習環境が用意されているほか、クラウド技術を専門に扱うIT研修会社やオンライン学習プラットフォームでも対策講座が提供されています。当サイトで紹介している資格スクール・通信講座の多くは、法律・会計・不動産系の資格を主力分野としているため、AWS認定などのベンダー資格を検討する場合は、IT・クラウド分野を専門に扱う学習サービスもあわせて確認することをおすすめします。
ベンダー資格は、実際にクラウド環境を操作しながら学ぶハンズオン形式の学習が重視される傾向があります。テキストによる知識のインプットだけでなく、実際に手を動かして操作を確認できる学習環境が用意されているかどうかも、講座選びの視点として大切です。
G検定などAI関連資格の学び方
G検定は、一般社団法人日本ディープラーニング協会(JDLA)が実施する、ディープラーニングをはじめとするAI技術に関する基礎知識を問う検定です。協会が公認する講座や、AI・データサイエンス分野を専門に扱うオンライン学習サービスで対策講座が提供されています。生成AIの実務活用が広がる中で、AI技術の基礎知識を体系的に整理したいというニーズから、注目度が高まっている分野です。
AI関連資格は比較的新しい分野であるため、講座やサービスの数も増加傾向にあります。学習を始める前に、検定の実施団体である日本ディープラーニング協会の公式サイトで、最新の試験範囲や公認講座の一覧を確認しておくことをおすすめします。
IT資格の学習手段を選ぶときの視点
IT資格の学習手段を選ぶ際は、資格が国家資格なのか、ベンダー資格なのか、業界団体による民間資格なのかを最初に把握することが出発点になります。国家資格である基本情報・応用情報技術者試験は、資格スクールの講座や市販教材など選択肢が幅広い一方、ベンダー資格やAI関連の民間資格は、その分野を専門に扱う学習サービスを利用したほうが、最新の技術動向に対応した教材で学べることが多い傾向にあります。
また、IT分野は技術の変化が速いため、教材の更新頻度や、試験制度の改定への対応スピードも、学習サービスを選ぶ際の重要な視点になります。公式サイトで教材の更新状況や対応バージョンを確認しておくとよいでしょう。
IT資格とキャリアの関係
IT資格は、法律・会計・不動産系の資格と異なり、資格そのものが業務独占につながるものは多くありません。そのため、IT資格を取得する目的は、就職・転職活動における知識の証明や、実務に必要な基礎知識の体系的な習得、社内でのキャリアアップの要件を満たすことなど、人によってさまざまです。目的によって、優先すべき資格の種類や学習の深さも変わってきます。
たとえば、未経験からIT業界への転職を目指す方であれば、基本情報技術者試験のような国家資格で基礎知識を体系的に証明することが評価につながりやすい傾向があります。一方、すでにクラウド関連の実務に携わっている方であれば、AWS認定のようなベンダー資格を取得することで、実務スキルをより具体的に証明できる場合があります。ご自身のキャリアの方向性に合わせて、優先する資格を選ぶことが大切です。
国家資格と実務スキルを組み合わせる
基本情報・応用情報技術者試験で得られる知識は、IT分野全般の土台となる体系的な知識です。一方、AWS認定やG検定のような専門資格は、特定の技術領域における実務スキルをより具体的に示すものです。両方を組み合わせることで、基礎知識と専門スキルの両面をアピールできると考える受講者も多く見られます。
学習の順序としては、まず基本情報技術者試験で基礎を固め、その後に自分が専門としたい技術領域のベンダー資格や民間資格に進むという進め方が一般的です。ただし、すでに実務経験がある分野については、基礎試験を省略して専門資格から学習を始めるという方法も選択肢の一つです。学習の順序に唯一の正解があるわけではなく、ご自身の経験や目的に合わせて計画を立てることが大切です。
よくある質問
資格スクールの講座だけでIT資格の学習は完結しますか。
資格の種類によります。基本情報・応用情報技術者試験のように出題範囲が確立している国家資格は、資格スクールの講座で体系的に学習しやすい分野です。一方、AWS認定やG検定のように専門性が高く技術の変化が速い分野は、その分野を専門に扱う学習サービスを併用したほうが、最新情報に対応しやすい場合があります。
ITの実務経験がなくてもIT資格の学習は始められますか。
基本情報技術者試験は、IT分野の基礎から学べるよう設計された試験であり、実務経験がなくても学習を始めることができます。応用情報技術者試験やベンダー資格は、ある程度の基礎知識を前提としている場合が多いため、まずは基本情報技術者試験から段階的に学習を進める方法もあります。
IT資格も教育訓練給付金の対象になりますか。
IT関連の講座の中にも、教育訓練給付金の対象になっているものがあります。対象講座であるかどうかは、厚生労働省「教育訓練給付制度 検索システム」で確認できます。制度全体の仕組みは教育訓練給付金のページで解説しています。
G検定やAWS認定は、業務独占資格のような法的な効力がありますか。
G検定やAWS認定は、いずれも業務独占資格ではなく、特定の知識・スキルを持っていることを示す検定・認定制度です。取得したこと自体が法律上の業務範囲を広げるものではありませんが、就職・転職活動や社内評価において、知識やスキルを客観的に示す材料として活用されることがあります。
まとめ:次に読むページ
IT資格は、国家資格・ベンダー資格・業界団体による民間資格という性質の違いによって、学び方の選択肢が変わります。目指す資格の実施主体を確認し、その分野を専門に扱う学習サービスも含めて比較検討することをおすすめします。焦って一つに絞り込まず、自分の目的とキャリアの方向性に合わせて段階的に検討することが大切です。
法律・会計・不動産系の資格を検討している方はオンライン・通信講座8社の比較や通学型資格予備校7校の比較を、講座選びの最終確認には返金・サポート制度の比較をあわせてご覧ください。給付金制度の詳細は教育訓練給付金のページでご確認いただけます。
