ニュースの概要
通信講座を運営する事業者が、10月16日からハロウィンキャンペーンを始めた。メンタル心理カウンセラーや保育士など176講座のBコースが対象で、受講料は最大73%引きになる。Bコースとは、教材や指導の範囲を絞って価格を抑えた受講プランを指すとみられる。季節の販促に合わせた期間限定の値引きで、秋から年末にかけて新年の学習計画を立てる層を取り込む狙いが読み取れる。割引率の大きさが目を引くが、対象は全講座ではなくBコースに限られる点には注意が必要だ。本稿では、この値引きの仕組みと、受講者や企業の人材育成担当者がどう受け止めるべきかを考える。
引用元: 【10月16日開始】資格講座が最大73%OFF!「ハロウィンキャンペーン」を開催!メンタル心理カウンセラーや保育士など、176講座のBコースが対象(valuepress)
分析・見解
最大73%OFFは「定価」の置き方で意味が変わる
通信講座の割引率は、もとの価格をいくらに置くかで大きく動く。定価を高めに設定し、常時どこかで割引を行えば、割引後の価格が実質の通常価格になる。今回の73%という数字も、そう見る余地がある。
家電量販店の「ポイント還元」や、百貨店の「創業祭」と似た構造である。大切なのは割引率ではなく、割引後の金額と学習内容の組み合わせが妥当かどうかだ。
Bコースは何が省かれているのかを確かめたい
対象がBコースに限られている点は重要である。一般にこの種の講座では、上位コースに質問対応の回数や添削指導、模擬試験、修了後の認定申請の支援が付く。下位コースはそれらを減らして価格を下げている。
独学が得意な人にはBコースで十分な場合が多い。一方で、記述式の課題がある資格や実技が絡む資格では、添削が合否を左右する。保育士のように筆記と実技の両方がある資格は、指導の有無で負担が大きく変わる。
受講前には、何回まで質問できるか、添削は何通付くか、教材の閲覧期間はいつまでかを一覧にして比べるとよい。
メンタル心理カウンセラーと保育士が並ぶ理由
今回の例に心理系と保育系が並んだのは偶然ではない。どちらも「人を支える仕事」への関心が高く、仕事を変えたい社会人や、家庭の合間に学びたい層が厚い分野である。
特にメンタル心理カウンセラーのような民間資格は、国家資格と違って受験の門が広く、講座の修了がそのまま資格取得につながる設計が多い。だからこそ、その資格が就職や転職でどこまで評価されるかを、受講前に求人票で確かめておきたい。
保育士は国家資格であり、都道府県の試験に合格する必要がある。講座の価格だけでなく、受験料や実技試験の準備費用も含めて総額を見るべきである。
値引き競争の先にある「修了率」という物差し
通信講座では、申し込んだ人のうち最後まで終えられる人は、一般に半分に満たないとされる。値段が安いほど気軽に申し込める反面、途中でやめる人も増えやすい。
今後は価格だけでなく、修了率や合格率、学習の継続を支える仕組みが比較の中心になっていくだろう。見かけの割引率が同じでも、続けられる設計の講座のほうが、結果として費用対効果は高くなる。
ビジネスへの影響
人材育成の担当者は割引を「計画の後ろ倒し」に使わない
社員の資格取得を支援する企業にとって、期間限定の値引きは費用を抑える機会になる。ただし、安いから先に買うという動きは、学習時間の確保が追いつかず、未使用の講座が積み上がる原因になりやすい。
年度の育成計画で受講者と受講時期を決めたうえで、その時期に合うキャンペーンが来たときだけ申し込むのが堅実である。受講者本人の業務量と学習時間を、上司が面談で確認しておくことも欠かせない。
申し込み前に確認したい三つのチェック項目
一つ目は、Bコースの内容である。質問や添削の範囲が、その資格の合格や修了に必要な水準を満たすかを見る。
二つ目は、公的な支援制度との関係だ。教育訓練給付金の対象講座であれば、割引後の価格より給付後の実質負担のほうが小さくなる場合がある。ただし、給付の対象になる講座は限られ、割引との併用が可能かどうかは講座ごとに異なる。
三つ目は、返金や解約の条件である。期間限定のキャンペーンは、通常の申し込みと返品の扱いが異なることがある。
副業や転職を考える個人は、資格の取得より先に、その資格で実際に受けられる仕事の単価を調べておくと、投資額の目安が立つ。
